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ゼロショット・フューショット学習とは?AIプロンプトの基本テクニック
AI用語解説

ゼロショット・フューショット学習とは?AIプロンプトの基本テクニック

2025-11-08
2025-12-10 更新

「ゼロショット」「フューショット」——AI論文やドキュメントで見かけるこの言葉、何を意味するか知っていますか?例を示すか示さないか、たったそれだけでAIの回答が大きく変わる理由を解説します。

ChatGPTに質問するとき、「例を示すと回答の質が上がる」と感じたことはありませんか?

これは「ゼロショット」と「フューショット」という、プロンプトエンジニアリングの基本概念に関係しています。

この記事では、この2つのテクニックの違いと使い分けを解説します。

ゼロショット(Zero-shot)とは?

一言で言うと

ゼロショットとは、例を一切示さずにAIにタスクを依頼する方法です。

「ゼロ」は「例の数が0」という意味。AIは事前学習で得た知識だけを頼りに回答します。

ゼロショットの例

以下のテキストの感情を「ポジティブ」「ネガティブ」「中立」で分類してください。

テキスト: この映画は最高でした!絶対また見たい。

AIは例を見ていませんが、「感情分類」というタスクを理解し、適切に回答できます。

読者
読者

例がなくても、AIはタスクを理解できるんですか?

吉村(AIコンサルタント)
吉村(AIコンサルタント)

はい!ChatGPTClaudeのような大規模言語モデルは、膨大なデータで学習しているため、「感情分類とは何か」を既に知っています。だから例がなくてもタスクを実行できるんです。

ゼロショットが向いている場面

  • シンプルなタスク(翻訳、要約、感情分類など)
  • 一般的な知識で解決できる質問
  • 素早く結果を得たい場合
  • 出力形式に厳密な要件がない場合

フューショット(Few-shot)とは?

一言で言うと

フューショットとは、少数の例(1〜5個程度)をプロンプトに含めてAIにタスクを依頼する方法です。

「Few」は「少数」、「shot」は「例」を意味します。

フューショットの例

以下のテキストの感情を分類してください。

例1:
テキスト: 素晴らしいサービスでした
感情: ポジティブ

例2:
テキスト: 二度と利用しません
感情: ネガティブ

例3:
テキスト: 普通でした
感情: 中立

---
テキスト: この映画は最高でした!絶対また見たい。
感情:

AIは例から「どのように分類すべきか」を学び、より正確に回答できます。

ワンショット(One-shot)

例が1つだけの場合は「ワンショット」と呼びます。

以下の形式で商品説明を書いてください。

例:
商品名: ワイヤレスイヤホン
説明: 【高音質】最新のBluetoothチップ搭載で、クリアな音質を実現。【長時間再生】1回の充電で8時間使用可能。

---
商品名: スマートウォッチ
説明:

ゼロショット vs フューショットの比較

項目 ゼロショット フューショット
例の数 0 1〜5個
プロンプト長 短い 長い
コスト 低い 高い
精度 標準 高い
出力の一貫性 低め 高い
ポイント

一般的に、フューショットの方が精度は高くなりますが、プロンプトが長くなる分、トークンコストも増加します。

どちらを使うべき?

ゼロショットを選ぶ場面

  • タスクがシンプルで明確
  • AIが既に知っている一般的なタスク
  • コストを抑えたい
  • 素早くプロトタイプを作りたい

フューショットを選ぶ場面

  • 特定の出力形式が必要
  • AIが知らない新しい概念を教えたい
  • 境界ケース(判断が難しい例)がある
  • 一貫した出力品質が重要
読者
読者

どちらか迷ったら、どうすればいいですか?

吉村
吉村

まずはゼロショットで試してみて、結果が満足できなければフューショットに切り替えるのがおすすめです。特に「出力形式がばらつく」「特定のケースで間違える」場合は、フューショットが効果的です。

効果的なフューショットの書き方

1. 多様な例を選ぶ

似たような例ばかりではなく、異なるパターンの例を含めましょう。

❌ 悪い例(全部ポジティブ):

例1: 最高です → ポジティブ
例2: 素晴らしい → ポジティブ
例3: 完璧です → ポジティブ

✅ 良い例(バランス良く):

例1: 最高です → ポジティブ
例2: 最悪です → ネガティブ
例3: 普通です → 中立

2. 境界ケースを含める

判断が難しい例を含めると、AIの精度が向上します。

例: この商品、まあまあかな → 中立
例: 悪くはないけど、もう少し安ければ → 中立

3. 出力形式を統一する

例の出力形式を統一することで、AIも同じ形式で回答します。

4. 例の数は3〜5個が目安

多すぎるとコンテキストウィンドウを圧迫し、少なすぎると効果が薄くなります。

発展テクニック:ゼロショットCoT

2022年の研究で、ゼロショットでも「Let's think step by step(順を追って考えましょう)」と付け加えるだけで、推論タスクの精度が大幅に向上することがわかりました。

Q: 太郎は5個のりんごを持っています。2個食べて、3個もらいました。
   今、太郎は何個のりんごを持っていますか?
   Let's think step by step.

A: 順を追って考えましょう。
   1. 最初: 5個
   2. 2個食べた: 5 - 2 = 3個
   3. 3個もらった: 3 + 3 = 6個
   答え: 6個

これを「ゼロショットChain-of-Thought(ゼロショットCoT)」と呼びます。

まとめ:例を活用してAIの精度を上げる

ゼロショットとフューショットは、プロンプトエンジニアリングの基本テクニックです。

ゼロショット・フューショットの重要ポイント:

  • ゼロショット = 例なしでタスクを依頼
  • フューショット = 1〜5個の例を示してタスクを依頼
  • フューショットの方が一般的に精度が高い
  • ただしトークンコストが増加する
  • 多様で境界ケースを含む例が効果的
  • まずはゼロショットで試し、必要に応じてフューショットへ

適切なテクニックを選んで、AIから最高の回答を引き出しましょう。

Tags

ゼロショット フューショット プロンプト LLM
吉村 この記事の筆者

吉村

AI INSIGHT

大学でIT教育に20年携わり、わかりやすい解説に定評あり。現在は合同会社四次元にてAI初心者向けの入門コンテンツを担当。

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