「今のシステムでも動いているから大丈夫」
そう思っていませんか?しかし、古いシステム(レガシーシステム)を使い続けることには、見えにくいリスクがあります。
本記事では、レガシーシステムの問題点と、計画的な刷新の進め方を解説します。
レガシーシステムとは
定義
一般的に、導入から10年以上経過したシステムや、以下のような特徴を持つシステムを指します。
- 開発した会社がサポートを終了している
- 担当者しか使い方がわからない
- 他のシステムと連携できない
- 動作が遅い、よく止まる
2025年の崖とは
経済産業省が警告した問題で、レガシーシステムを放置した場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が発生するという試算です。
うちの会社も古い販売管理システムを使っていますが、そんなに深刻な問題なんですか?
今すぐ問題が起きるわけではありませんが、担当者が退職したときや、取引先からデータ連携を求められたときに困ることになります。計画的に対策を進めておくべきです。
レガシーシステムを使い続けるリスク
リスク1:維持コストの増大
古いシステムほど保守費用が高くなります。部品の調達が困難になったり、対応できるエンジニアが減ったりするためです。
リスク2:セキュリティの脆弱性
サポートが終了したシステムはセキュリティ更新が行われません。サイバー攻撃の標的になりやすくなります。
2023年の調査では、サイバー攻撃の被害企業の約4割がレガシーシステムの脆弱性を突かれていました。
リスク3:属人化
古いシステムの操作方法や仕組みを知っているのが特定の人だけ、という状況は非常に危険です。その人が退職・異動すると業務が止まる可能性があります。
リスク4:ビジネス機会の損失
- 新しいサービスとの連携ができない
- データ活用ができない
- テレワークに対応できない
脱却の進め方
ステップ1:現状把握
まず、自社のシステムの状況を把握します。
確認項目:
- いつ導入したか
- サポート状況はどうか
- 誰が管理しているか
- どんな業務に使っているか
- 他システムとの連携状況
ステップ2:優先順位付け
すべてを一度に刷新することはできません。リスクの高いものから優先的に対応します。
優先度が高いケース:
- サポートが終了している
- 担当者が1人しかいない
- セキュリティ上の問題がある
- 業務のボトルネックになっている
ステップ3:移行方法の検討
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| パッケージ導入 | 低コスト、短期間、カスタマイズ限定 |
| クラウドサービス | 初期費用小、運用楽、月額費用 |
| スクラッチ開発 | 自由度高、高コスト、長期間 |
| マイグレーション | 既存資産活用、段階的移行可能 |
中小企業の場合、クラウドサービスへの移行が最もコストパフォーマンスが良いケースが多いです。初期費用を抑えられ、運用負担も軽減されます。
ステップ4:移行計画の策定
- いつまでに移行するか
- 並行運用期間をどれくらい設けるか
- 誰が担当するか
- 予算はいくらか
ステップ5:実行とフォロー
計画通りに移行を進め、問題があれば対処します。移行後も一定期間は注意深く監視が必要です。
移行は「一晩で切り替え」ではなく、並行運用期間を設けて段階的に進めるのが安全です。焦らず着実に進めましょう。
よくある失敗パターン
現行システムの機能をすべて再現しようとする
「今と同じことができなければ困る」という要望で、必要以上に複雑なシステムになってしまうケースがあります。この機会に業務自体を見直すことも検討しましょう。
移行期間が短すぎる
十分なテスト期間を設けずに本番稼働すると、トラブルが発生します。余裕を持ったスケジュールが重要です。
現場の意見を聞かない
実際に使う現場の声を聞かずに導入すると、使いにくいシステムになってしまいます。
まとめ
レガシーシステムからの脱却は、簡単ではありませんが避けて通れない課題です。
今日からできること:
- 自社のシステム一覧を作成する
- 各システムの導入時期・サポート状況を確認する
- リスクの高いものから優先順位をつける
問題が顕在化する前に、計画的に対策を進めていきましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
導入から10年以上経過したシステムや、サポートが終了している、担当者しか使えない、他システムと連携できないなどの特徴を持つシステムを指します。
経済産業省が警告した問題で、レガシーシステムを放置した場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が発生するという試算です。
維持コストの増大、セキュリティの脆弱性、属人化による業務停止、ビジネス機会の損失の4つが主なリスクです。特にサイバー攻撃の被害企業の約4割がレガシーシステムの脆弱性を突かれています。
クラウドサービスへの移行が最もコストパフォーマンスが良いケースが多いです。初期費用を抑えられ、運用負担も軽減されます。
一晩で切り替えるのではなく、並行運用期間を設けて段階的に進めることが安全です。また、現場の声を聞き、業務自体の見直しも併せて検討しましょう。