「日本はAIで米中に遅れている」
——そう言われ続けてきました。
しかし2025年12月23日、日本政府は初の「AI基本計画」を閣議決定。2026年度のAI関連予算は1.23兆円(約$7.9B)、前年比300%増という過去最大規模になりました。
遅れを取り戻そうとする日本政府の本気度と、中小企業が活用すべき支援策を解説します。
AI基本計画とは何か
日本初の国家AI戦略
「AI基本計画」って、これまでなかったんですか?
はい、包括的な国家計画としては初めてです。これまでもAI関連の施策はありましたが、各省庁がバラバラに進めていました。今回は内閣府が司令塔となり、省庁横断で統一的に推進する体制が整いました。
AI基本計画の概要:
- 閣議決定:2025年12月23日
- 予算規模:1.23兆円(2026年度)
- 計画期間:5年間
- 重点分野:基盤モデル、データ基盤、半導体、人材
予算の内訳
| 分野 | 予算額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 基盤モデル・データ基盤 | 3,873億円 | 国産AIモデル開発、データ整備 |
| AI半導体 | 約3,000億円 | 国内生産支援、研究開発 |
| AI人材育成 | 約1,500億円 | 教育プログラム、リスキリング |
| AI利活用促進 | 約2,000億円 | 中小企業支援、社会実装 |
2026年度予算とは別に、5年間で1兆円規模の公的支援パッケージも用意されています。継続的な投資を約束することで、民間投資を呼び込む狙いがあります。
なぜ今、大規模投資なのか
AI利用率20%の現実
日本のAI導入って、そんなに遅れてるんですか?
残念ながら、はい。日本企業のAI利用率は約20%にとどまっています。世界平均のAI導入スピードの半分以下です。ただし、日本人のAIに対する好感度は32カ国中最高(75%がポジティブ)という調査もあり、「使いたいけど使い方がわからない」状態と言えます。
日本のAI導入の現状:
- AI利用率:約20%(世界平均の半分以下)
- AI好感度:75%がポジティブ(32カ国中1位)
- 課題:人材不足、導入ノウハウ不足、投資余力
米中との差を埋める
米国や中国とはどれくらい差があるんですか?
正直、相当開いています。米国のテック大手5社だけで年間数兆円をAIに投資しています。中国も国家主導で巨額投資を続けている。日本は「周回遅れ」と言われても仕方ない状況でした。だからこそ、今回の300%増という思い切った予算が組まれたんです。
孫正義氏は社内でAI活用の提案を募り、26万件もの提案が集まったと報じられています。「AI活用のアイデアはある。足りないのは実行」という状況を示唆しています。
中小企業が狙うべき支援策
AI導入補助金の拡充
大企業向けの話ばかりに聞こえますが、中小企業は関係ないですか?
いえ、むしろ中小企業向けの支援策が手厚くなっています。「AI利活用促進」に約2,000億円が割り当てられており、その多くが中小企業の導入支援です。
中小企業向け主な支援策:
- IT導入補助金(AI枠):AI導入費用の最大1/2を補助
- ものづくり補助金(デジタル枠):製造業のAI活用を支援
- 事業再構築補助金(成長枠):AIを活用した新事業展開
- 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者のDX支援
官民連携の新会社
2026年度から、官民連携でAI基盤モデルを開発する新会社が設立される予定です。
新会社って、民間企業も参加できるんですか?
はい、参加機会はあります。特にデータ提供、実証実験への協力、アプリケーション開発などで中小企業が関わる余地は大きいです。富士通がNVIDIAと提携してAI半導体開発を進めるなど、大企業との協業ルートも広がっています。
補助金申請には「事業計画」「費用対効果の試算」「専門家の意見書」などが必要なケースが多いです。合同会社四次元のような専門家のサポートを受けることで、採択率を上げることができます。
今後の見通し
2026年の注目ポイント
| 時期 | イベント |
|---|---|
| 2026年4月 | 2026年度予算執行開始 |
| 2026年上半期 | 官民連携AI会社の設立 |
| 2026年中 | 国産基盤モデルの開発着手 |
| 2026年下半期 | AI人材育成プログラム本格化 |
成功のカギ
結局、この計画は成功すると思いますか?
正直、過去の国家プロジェクトが失敗した例もあり、楽観はできません。ただ、今回は「民間主導」を強調しており、官僚主導で失敗したパターンを避けようとしているのは評価できます。カギは「スピード」。5年計画を待たず、早期に成果を出せるかが問われます。
成功に必要な要素:
- 民間のスピード感を活かす体制
- 海外人材の積極登用
- 失敗を許容するカルチャー
- 省庁縦割りの排除
まとめ
日本初のAI基本計画について、ポイントをまとめます。
計画の概要:
- 2025年12月閣議決定
- 2026年度予算1.23兆円(前年比300%増)
- 5年間で1兆円の支援パッケージ
重点分野:
- 国産基盤モデルの開発
- AI半導体の国内生産
- AI人材育成
- 中小企業のAI利活用促進
中小企業の機会:
- IT導入補助金(AI枠)
- ものづくり補助金(デジタル枠)
- 官民連携プロジェクトへの参加
日本のAI利用率は20%——伸びしろは大きい。政府の支援を活用しながら、早めにAI導入を進めた企業が、この転換期で優位に立てるでしょう。
よくある質問(記事のおさらい)
2026年度は1.23兆円(約$7.9B)で、前年比300%増の過去最大規模です。さらに5年間で1兆円の支援パッケージも用意されています。
あります。IT導入補助金(AI枠)、ものづくり補助金(デジタル枠)、事業再構築補助金(成長枠)など、中小企業がAI導入に活用できる補助金が拡充されています。
約20%で、世界平均の半分以下です。ただし、日本人のAIに対する好感度は32カ国中最高(75%がポジティブ)という調査結果もあります。
不確実性はありますが、今回は「民間主導」を強調しており、過去の官僚主導の失敗を避けようとしています。カギは「スピード」で、早期に成果を出せるかが問われます。