「チャットボットを自社で作りたいけど、何から始めればいいかわからない」
「プログラミング知識がなくても本当に作れるの?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、ノーコードツールを使えば、プログラミング知識がなくてもチャットボットを作成できます。本記事では、チャットボットの作り方を初心者向けに5つのステップで解説します。
チャットボットの種類を理解する
チャットボットには大きく3つの種類があります。まずは自社に最適なタイプを理解しましょう。
チャットボットの種類と特徴
AI型チャットボット
機械学習・自然言語処理を活用して、自由な対話ができるタイプです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | 機械学習・自然言語処理により自由な対話を実現 |
| メリット | 自由なテキスト入力に対応、学習により精度向上 |
| デメリット | 初期設定にコストがかかる、不適切回答のリスク |
| コスト目安 | 月額数万円〜数十万円 |
| 適した用途 | カスタマーサポート、相談業務、複雑な質問対応 |
ChatGPT APIやClaude APIを活用すると、高度な自然言語処理を比較的低コストで実現できます。
ルールベース型チャットボット
事前に設定したシナリオ・ルールに従って回答するタイプです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | 事前設定したシナリオに従って回答 |
| メリット | 設定が簡単、一貫した品質の回答、低コスト |
| デメリット | 設定外の質問に対応不可、自然な会話が困難 |
| コスト目安 | 月額数千円〜数万円 |
| 適した用途 | FAQ対応、予約受付、定型業務の自動化 |
シンプルなFAQ対応から始める場合は、ルールベース型が導入しやすいです。運用しながらノウハウを蓄積し、段階的にAI型へ移行していく方法がおすすめです。
ハイブリッド型チャットボット
ルールベース型とAI型を組み合わせたタイプです。
定型的な質問はルールベースで対応し、複雑な質問はAIが処理するという使い分けが可能です。コストと性能のバランスを取りたい場合に適しています。
どのタイプを選べばいいですか?
最初はルールベース型から始めて、効果を確認しながらAI型に移行していく方法がおすすめです。いきなり高機能なものを作ろうとすると、コストも時間もかかってしまいますから。
チャットボットの4つの作成方法
チャットボットの作成方法は、大きく4つに分類されます。技術レベルと予算に応じて最適な方法を選びましょう。
チャットボット開発のアプローチ
1. ノーコードツールで作成
プログラミング不要で、画面操作だけでチャットボットを作成できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 難易度 | ★☆☆(初心者向け) |
| 開発期間 | 1週間〜1ヶ月 |
| 初期費用 | 0円〜10万円 |
| 月額費用 | 3,000円〜50,000円 |
| 代表ツール | Dialogflow、Chatfuel、ManyChat、Tidio |
こんな場合におすすめ:
- プログラミング経験がない
- 短期間で導入したい
- まずは小規模から始めたい
2. API連携で作成
ChatGPT APIやLINE Bot APIなどを活用して、自社システムと連携させる方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 難易度 | ★★☆(中級者向け) |
| 開発期間 | 2週間〜2ヶ月 |
| 初期費用 | 10万円〜100万円 |
| 月額費用 | API利用料(数千円〜数万円) |
| 主要API | ChatGPT API、Claude API、LINE Messaging API |
API連携なら、ChatGPTやClaudeなどの最新AI機能をすぐに活用できます。自社でAIモデルを開発・学習させる必要がないため、高度な機能を低コストで実現できます。
3. プログラミングで開発
PythonやJavaScriptなどを使って、完全に自由な設計で開発する方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 難易度 | ★★★(上級者向け) |
| 開発期間 | 2ヶ月〜6ヶ月 |
| 初期費用 | 50万円〜500万円 |
| 月額費用 | サーバー代のみ(数千円〜) |
| 使用言語 | Python、JavaScript、Java等 |
4. Excelで簡易作成
Excelの関数を使って、簡易的なルールベース型を作成する方法です。
VLOOKUP関数などを活用し、質問と回答のマッチングを行います。社内FAQなど、限定的な用途には十分対応できます。
作成方法の比較
| 比較項目 | ノーコード | API連携 | プログラミング |
|---|---|---|---|
| 難易度 | 低 | 中 | 高 |
| 費用 | 低〜中 | 中 | 中〜高 |
| 自由度 | 低 | 中〜高 | 高 |
| 開発期間 | 短 | 中 | 長 |
チャットボット作成前の準備
チャットボット作成で失敗しないために、事前準備が最も重要です。ここを丁寧にやることで、導入後の手戻りを大幅に減らせます。
チャットボット導入の準備段階
1. 目的を明確にする
具体的な数値目標を設定することが重要です。
目的設定の例:
- カスタマーサポート効率化:「問い合わせ対応時間を30%削減」
- リード獲得:「月間リード獲得数を20%増加」
- 社内業務効率化:「FAQ対応を80%自動化」
「チャットボットを導入する」こと自体を目的にしないでください。「何を解決したいのか」「どんな成果を出したいのか」を明確にすることが成功の鍵です。
2. ターゲットユーザーを分析する
チャットボットを使うのは誰かを明確にします。
分析すべき項目:
- 年齢・職業・ITリテラシー
- どのような質問をするか
- いつ、どのチャネルで利用するか
- 過去の問い合わせデータの傾向
3. 想定質問を洗い出す
過去のFAQや問い合わせデータを分析し、頻出質問を把握します。
洗い出しのポイント:
- 最低50パターン以上の想定質問を準備
- 同じ意味でも異なる表現(言い回しの揺れ)を考慮
- 優先度をつけて、重要な質問から対応
4. 運用体制を決める
チャットボットは導入して終わりではなく、継続的な改善が必要です。
決めておくべき項目:
- 運用担当者(誰がメンテナンスするか)
- 改善サイクル(月1回など定期的な見直し)
- 有人対応への切り替えルール
準備段階で80%が決まると言っても過言ではありません。ここを丁寧にやることで、導入後の手戻りを大幅に減らせますよ。
チャットボットの作り方5ステップ
具体的な作成手順を5つのステップで解説します。
チャットボット作成の5ステップ
目的・予算・技術レベルに応じて最適なツールを選びます。
ノーコードツールの例:
- Dialogflow(Google):自然言語処理に対応、無料プランあり
- Chatfuel:LINEやFacebook Messengerとの連携が容易
- ManyChat:マーケティング機能が充実
- Tidio:Webチャットに特化
選定のポイント:
- 対応チャネル(Web、LINE、Slackなど)
- 日本語対応の精度
- 料金体系(無料枠、従量課金など)
- セキュリティ・コンプライアンス要件
ユーザーの質問に対して、どのように回答するかのフローを設計します。
回答できない質問への対応を必ず設計してください。「わかりません」で終わるのではなく、有人対応への切り替えや代替案の提示など、ユーザーを行き止まりにしない工夫が必要です。
シナリオ設計のポイント:
- メイン導線(よくある質問への回答フロー)を作成
- エラーハンドリング(回答できない場合の対応)を設定
- 有人エスカレーションルートを用意
- 会話のトーンを企業イメージに合わせる
作成したシナリオをツールに登録し、学習データを準備します。
データ準備のポイント:
- 過去の問い合わせデータを収集・整理
- 個人情報は除去してクレンジング
- 一つの質問に対して複数の表現パターンを用意
- 業界特有の専門用語も登録
本番公開前に、十分なテストを行います。
テストの観点:
- 想定通りの回答が返ってくるか
- 想定外の質問にどう反応するか
- レスポンス速度は問題ないか
- スマホ・PCなど各デバイスでの表示
テスト方法:
- 社内メンバーによるテスト(想定質問)
- 想定外の質問を意図的に投げてみる
- 実際の顧客を一部招いたベータテスト
テストを経て本番公開し、継続的に改善します。
公開後の運用ポイント:
- 会話ログを定期的に分析
- 回答できなかった質問をピックアップ
- ユーザーフィードバックを収集
- KPI(解決率、満足度など)をモニタリング
- 毎週:会話ログのチェック
- 月1回:シナリオの追加・修正
- 四半期:全体的な効果検証
最初の3ヶ月は「改善期間」と捉え、データ収集と改善に注力しましょう。
ノーコードツールでの作成例(Dialogflow)
GoogleのDialogflowを使った具体的な作成手順を紹介します。
Dialogflowの管理画面イメージ
手順1:アカウント作成とプロジェクト設定
- Google Cloud Consoleにアクセス
- 新しいプロジェクトを作成
- Dialogflow APIを有効化
- Dialogflowコンソールを開く
手順2:Intentの作成
「Intent」とは、ユーザーの意図を表す単位です。
- 「Create Intent」をクリック
- Training Phrases(トレーニング用フレーズ)を入力
- 例:「営業時間は?」「何時から何時まで?」「開いてる時間」
- Responses(回答)を設定
- 例:「営業時間は平日9:00〜18:00です」
手順3:Entityの設定
「Entity」とは、会話の中で認識したい特定の情報(商品名、日付など)です。
手順4:Webサイトやアプリへの統合
作成したチャットボットを実際のチャネルに連携します。
- Webサイト:埋め込みコードを設置
- LINE:LINE Messaging APIと連携
- Slack:Slack Botとして連携
API連携での作成例(ChatGPT API)
ChatGPT APIを使ったチャットボットの基本的な構成を紹介します。
基本的な構成
import openai
openai.api_key = "YOUR_API_KEY"
def chat_with_gpt(user_message):
response = openai.ChatCompletion.create(
model="gpt-4",
messages=[
{"role": "system", "content": "あなたは親切なカスタマーサポートです。"},
{"role": "user", "content": user_message}
]
)
return response.choices[0].message.content
# 使用例
answer = chat_with_gpt("返品の方法を教えてください")
print(answer)
API連携のポイント
- システムプロンプトでボットの性格・役割を設定
- 会話履歴を保持して文脈を継続
- トークン使用量を監視してコストを管理
- エラーハンドリングを適切に実装
運用時の注意点
チャットボットを効果的に運用するための注意点です。
チャットボットの運用と改善
1. 複雑な質問には対応できないことがある
チャットボットには限界があります。対応できない質問には、スムーズに有人対応に切り替える仕組みが必要です。
2. 継続的な改善が必要
導入直後から完璧に動くことは稀です。会話ログを分析し、継続的に改善していく姿勢が重要です。
3. セキュリティへの配慮
個人情報を扱う場合は、適切なセキュリティ対策が必須です。
- 通信の暗号化(SSL/TLS)
- アクセス権限の制御
- ログの適切な管理
- 個人情報の取り扱いポリシーの明示
特に顧客情報を扱う場合は、プライバシーポリシーの整備も忘れずに。
チャットボットの導入効果はどのくらいで出ますか?
シンプルなFAQ対応なら1〜2ヶ月で効果が見え始めます。ただし、最初の3ヶ月は改善期間と捉えて、データ収集と改善に注力することをおすすめします。
まとめ
チャットボットの作り方のポイントをまとめます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 種類の選択 | AI型、ルールベース型、ハイブリッド型から目的に合わせて選択 |
| 作成方法 | ノーコード、API連携、プログラミングから技術レベルに応じて選択 |
| 事前準備 | 目的設定、ターゲット分析、想定質問の洗い出し |
| 作成手順 | ツール選定→シナリオ設計→データ準備→テスト→公開 |
| 運用 | 継続的な改善、有人対応との連携、セキュリティ対策 |
チャットボットは、適切な準備と段階的な実装により確実に成果を出せるツールです。まずは小規模なFAQ対応から始めて、効果を確認しながら機能を拡張していくことをおすすめします。
まずはノーコードツールで試してみます!
それが一番の近道です!無料プランで始められるツールも多いので、ぜひチャレンジしてみてください。
よくある質問(記事のおさらい)
はい、ノーコードツールを使えば作成可能です。DialogflowやChatfuelなどのツールでは、画面操作だけでチャットボットを構築できます。月額3,000円〜50,000円程度で導入できます。
①ツール選定、②シナリオ設計、③データ準備、④テスト、⑤公開・改善の5ステップです。特に事前準備(目的設定、想定質問の洗い出し)が成功の80%を決めます。
初心者はルールベース型から始めるのがおすすめです。月額数千円〜と低コストで、シンプルなFAQ対応に最適。効果を確認しながら段階的にAI型へ移行していく方法が確実です。
ノーコードツールで初期費用0円〜10万円、月額3,000円〜50,000円です。API連携は初期10万円〜100万円、プログラミング開発は50万円〜500万円が目安です。
シンプルなFAQ対応なら1〜2ヶ月で効果が見え始めます。最初の3ヶ月は改善期間として、会話ログの分析とシナリオ改善に注力することが重要です。