2025年12月11日(米国時間)、OpenAIが最新AIモデル「GPT-5.2」を発表しました。
これは、Google Gemini 3の発表を受けてOpenAI社内で「コードレッド(緊急事態)」が宣言されてから、わずか1ヶ月足らずでのリリースとなります。
本記事では、GPT-5.2の新機能と中小企業にとっての意味を解説します。
GPT-5.2の3つのモデル
今回発表されたGPT-5.2には、用途に応じた3つのバリエーションがあります。
GPT-5.2 Instant
日常的なタスクに最適化された高速モデルです。
- 情報検索・調べもの
- 文章作成・翻訳
- ハウツー・技術文書の作成
API料金は入力100万トークンあたり$1.75、出力100万トークンあたり$14と、比較的手頃な価格設定です。
GPT-5.2 Thinking
複雑な推論やコーディングに特化したモデルです。
- 長文書の要約・分析
- プログラミング・コード生成
- アップロードファイルの質問応答
- 計画立案
25万トークン(約20万文字)の長文でも100%近い正答率を達成。前モデルと比較してエラーを含む回答が38%減少しています。
GPT-5.2 Pro
高度な専門知識を必要とする質問に最適な最上位モデルです。
- 大学院レベルの科学問題で93.2%の正答率
- 数学コンテスト問題で100%の正答率
API料金は入力100万トークンあたり$21、出力100万トークンあたり$168と、Instantの約12倍です。
3つもあると、どれを使えばいいか迷いますね...
日常業務ならInstant、複雑な分析や長文処理ならThinking、専門的な研究や難問にはProという使い分けがおすすめです。まずはInstantから試してみましょう。
主な性能向上ポイント
人間の専門家レベルを超えた
GPT-5.2は「GDPval」という44職種の知識労働タスクを評価するテストで70.9%を記録しました。
これは人間の専門家レベル以上の性能を初めて達成したモデルです。参考までに、GPT-5.1は同テストで38.8%でした。
具体的にどんな作業ができるようになったんですか?
例えば、複雑な契約書のレビュー、財務分析、技術文書の作成など、これまで専門家に依頼していた作業の多くをAIに任せられる可能性が出てきました。
ハルシネーション(嘘)の低減
AIが事実でない情報を生成する「ハルシネーション」が大幅に減少しました。
GPT-5.2 Thinkingは前バージョンと比較して、誤った回答が30%減少しています。ビジネスでの実用性が一段と向上しました。
AIが事実に基づかない情報を、あたかも本当のことのように生成してしまう現象です。ビジネス利用において大きなリスクとなるため、この改善は重要なポイントです。
ツール連携の安定性
外部ツールとの連携(Function Calling)の成功率が98.7%に達しました。
複数のツールを組み合わせた複雑な作業も安定して実行できるようになり、AIエージェントとしての活用可能性が広がっています。
画像理解の精度向上
グラフやソフトウェア画面などの画像理解(マルチモーダル機能)において、誤答率が半減しました。
資料やレポートの分析、UI画面の確認など、視覚的な情報を扱う作業での精度が大幅に改善されています。
利用方法
ChatGPTユーザー
2025年12月12日より、以下のプランで順次利用可能になります。
| プラン | 利用可否 |
|---|---|
| ChatGPT Plus | ✅ 利用可能 |
| ChatGPT Pro | ✅ 利用可能 |
| ChatGPT Go | ✅ 利用可能 |
| ChatGPT Business | ✅ 利用可能 |
| ChatGPT Enterprise | ✅ 利用可能 |
| 無料プラン | ❌ 対象外 |
API利用
開発者向けAPIでは「gpt-5.2」「gpt-5.2-chat-latest」「gpt-5.2-pro」として既に提供開始されています。
なお、GPT-5.1モデルは3ヶ月間のレガシーサポート後に提供終了となる予定です。既存システムで利用している場合は、早めの移行計画を立てましょう。
Gemini 3との競争激化
今回のGPT-5.2リリースは、Gemini 3への対抗措置として行われました。
OpenAIとGoogleの競争って、私たちにとってどういう意味があるんですか?
競争が激化することで、性能向上と価格低下の両方が期待できます。ユーザーにとっては、より良いサービスをより安く使えるチャンスですね。
OpenAIはコードレッドを宣言してからわずか1ヶ月でGPT-5.2をリリースしました。この素早い対応は、AI業界の競争がいかに激しいかを物語っています。
中小企業への影響
うちのような中小企業にとって、GPT-5.2は何が変わるんですか?
大きく3つのポイントがあります。
1. 専門業務の自動化
これまで外注していた専門的な作業(契約書チェック、市場調査、技術文書作成など)を社内でAIに任せられる可能性が高まりました。
2. ハルシネーション低減で実用性向上
「AIは嘘をつく」という懸念が軽減され、ビジネス文書の作成やデータ分析により安心して活用できます。ただし、重要な判断は必ず人間がチェックしてください。
3. 長文処理の大幅改善
20万文字相当の文書でも正確に処理できるため、大量の資料を扱う業務(議事録分析、マニュアル作成など)が効率化できます。
まとめ
GPT-5.2は、Gemini 3との競争の中で緊急リリースされましたが、性能面では着実な進化を見せています。
- 3つのモデル(Instant/Thinking/Pro)から用途に応じて選択可能
- 知識労働タスクで人間の専門家レベル以上を達成
- ハルシネーション30%減少で実用性向上
- 長文処理・ツール連携・画像理解が大幅改善
- ChatGPT有料プランで順次利用可能
AI業界の競争激化は、ユーザーにとってはより良いサービスをより安価で利用できるチャンスです。自社の業務効率化に、最新AIの活用を検討してみてはいかがでしょうか。