中小企業がAI開発を始める際、クラウドサービスの活用は有力な選択肢だ。
特にAWS(Amazon Web Services)は、初期費用ゼロ・従量課金で生成AIを利用できる「Amazon Bedrock」を提供しており、中小企業のAI開発に適している。
Amazon Bedrockとは
Amazon Bedrockは、AWSが提供する生成AIサービスだ。複数のAIモデルをAPI経由で利用でき、自社のシステムに組み込むことができる。
ChatGPTやClaudeを直接使うのとは何が違うんですか?
Bedrockを使うと、複数のAIモデルを1つのプラットフォームで統一的に管理できます。また、自社データとの連携やセキュリティ設定も柔軟に行えるため、業務システムへの組み込みに適しています。
利用可能なAIモデル
| モデル | 提供元 | 特徴 |
|---|---|---|
| Claude | Anthropic | 高品質な文章生成、長文対応 |
| Llama | Meta | オープンソース、カスタマイズ性 |
| Titan | Amazon | AWS最適化、コスト効率 |
| Stable Diffusion | Stability AI | 画像生成 |
| Mistral | Mistral AI | 高速・低コスト |
なぜ中小企業にAWSが向いているのか
中小企業がAWSを選ぶメリットは複数ある。
- 初期費用ゼロ:使った分だけ支払う従量課金
- スモールスタート可能:小規模から始めて拡大できる
- セキュリティ:エンタープライズ級のセキュリティ
- 豊富な連携サービス:データベース、ストレージ等と連携
特に従量課金制は、利用量が読めない導入初期には大きなメリットとなる。
料金の目安
Amazon Bedrockの料金は、モデルと利用量によって異なる。
Claude 3.5 Sonnetの場合
| 項目 | 料金(目安) |
|---|---|
| 入力 | $3.00 / 100万トークン |
| 出力 | $15.00 / 100万トークン |
これって高いんですか?安いんですか?
例えば、1日100回の問い合わせ対応に使う場合、月額数千円〜数万円程度です。ChatGPT Teamの月額$25/ユーザーと比べると、少量利用なら安く、大量利用だと高くなる可能性があります。
AWS生成AI実用化推進プログラム
AWSは中小企業のAI活用を支援するプログラムを提供している。
- 技術支援:AWSソリューションアーキテクトによるサポート
- AWSクレジット:最大5,000ドル(約75万円)のクレジット提供
- トレーニング:生成AI関連のトレーニングコンテンツ
- パートナー紹介:実装パートナーの紹介
このプログラムを活用すれば、初期コストを抑えながらAI開発を始められる。
導入ステップ
中小企業がAWSでAI開発を始める基本的な流れを紹介する。
AWSの公式サイトからアカウントを作成します。クレジットカードの登録が必要ですが、無料利用枠もあります。
AWSマネジメントコンソールからAmazon Bedrockにアクセスし、使用したいモデルへのアクセスをリクエストします。
Bedrockのプレイグラウンド機能で、コードを書かずにAIモデルを試すことができます。まずはここで動作を確認しましょう。
Python SDKやREST APIを使って、自社システムにAIを組み込みます。公式ドキュメントにサンプルコードが豊富にあります。
活用事例
中小企業でのAWS活用事例を紹介する。
問い合わせ対応の自動化
ある中小企業では、Amazon BedrockとAmazon Connectを組み合わせて、電話問い合わせの一次対応を自動化。対応時間を50%削減した。
社内文書検索
別の企業では、BedrockとRAG(検索拡張生成)を組み合わせて、社内マニュアルをAIで検索できるシステムを構築。新入社員の自己解決率が向上した。
注意点
AWSでAI開発を始める際の注意点も押さえておこう。
- 従量課金の管理:予算アラートを設定し、想定外の課金を防ぐ
- リージョン選択:Bedrockは東京リージョンで利用可能
- セキュリティ設定:IAMポリシーで適切なアクセス制御を
- データの取り扱い:入力データの保存設定を確認
まとめ
AWSを活用すれば、中小企業でも低コストでAI開発を始められる。
- Amazon Bedrockで複数の生成AIモデルを利用可能
- 従量課金で初期費用ゼロ、スモールスタートに最適
- AWS生成AI実用化推進プログラムで最大5,000ドルのクレジット
- 問い合わせ対応、社内検索など様々な活用が可能
まずはBedrockのプレイグラウンドで試してみることをおすすめする。
よくある質問(記事のおさらい)
モデルと利用量によって異なりますが、Claude 3.5 Sonnetの場合、入力$3.00/100万トークン、出力$15.00/100万トークンです。1日100回程度の問い合わせ対応なら月額数千円〜数万円程度が目安です。
本格的な開発にはPython等のプログラミング知識が必要です。ただし、Bedrockのプレイグラウンド機能を使えば、コードなしでAIモデルを試すことができます。
AWS生成AI実用化推進プログラムは、AWSの公式サイトまたはAWSパートナー経由で申し込めます。最大5,000ドルのクレジットや技術支援が受けられます。