「OpenAIの対抗馬」「AI安全性のパイオニア」——Anthropicは、AI業界で最も注目される企業の一つです。
Claudeを開発しているこの会社は、一体どんな組織なのでしょうか?
Anthropicとは
Anthropicって、いつできた会社なんですか?
2021年に設立されました。OpenAIの元副社長を含む7人が、「AIの安全性を最優先にする会社を作りたい」という思いで独立したんです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設立 | 2021年 |
| 本社 | アメリカ・サンフランシスコ |
| 創業者 | ダリオ・アモデイ、ダニエラ・アモデイ他 |
| 主力製品 | Claude(クロード) |
| 企業形態 | 公益法人(PBC) |
| 2025年評価額 | 1,830億ドル(約27兆円) |
なぜ「Anthropic」という名前なのか
「Anthropic」は、ギリシャ語の「anthropos(人間)」に由来します。「人類のためのAI」という意味が込められています。
創業者:アモデイ兄妹
ダリオ・アモデイ(CEO)
- 生年:1983年
- 学歴:プリンストン大学で物理学Ph.D.取得
- 前職:OpenAI副社長(研究担当)
- 業績:GPT-2論文の共著者
物理学者からAI研究者に転身したダリオは、OpenAIでGPT-2の開発に携わりました。技術戦略と製品ビジョンを統括しています。
ダニエラ・アモデイ(社長)
- 生年:1980年代半ば
- 前職:OpenAI安全性・政策担当副社長
- その他:Stripe、政治キャンペーンでの経験も
ダニエラは、ビジネスと政策の両面からAnthropicを支えています。AI安全性と社会的責任のバランスを取る役割を担っています。
なぜOpenAIを離れたのか
なぜOpenAIを辞めて新会社を作ったんですか?
安全性への取り組みに対する考え方の違いです。アモデイ兄妹は「もっと安全性を重視すべきだ」と考えていたのですが、OpenAI内部でその方向性が十分に支持されなかったんです。
2020年、ダリオとダニエラを含む7人がOpenAIを退職し、翌年Anthropicを設立しました。
主力製品:Claude
Claudeの歴史
| バージョン | リリース日 | 特徴 |
|---|---|---|
| Claude(初代) | 2023年3月 | 初の一般公開 |
| Claude 2 | 2023年7月 | 性能大幅向上 |
| Claude 3 | 2024年3月 | Opus/Sonnet/Haiku登場 |
| Claude 4 | 2025年5月 | コーディング能力強化 |
| Claude 4.5 | 2025年9-11月 | 最新版 |
なぜ「Claude」という名前なのか
「Claude」は、クロード・シャノン(Claude Shannon)に由来します。シャノンは「情報理論の父」と呼ばれる数学者で、デジタル通信の基礎を築いた人物です。
巨額の資金調達
主な投資家
Anthropicには、どれくらいの投資が集まっているんですか?
驚異的な額です。AmazonとGoogleがそれぞれ数十億ドル規模の投資をしていて、2025年11月にはNvidia・Microsoftから150億ドルの投資も発表されました。
| 投資家 | 投資額 | 時期 |
|---|---|---|
| Amazon | 40億ドル(初回) | 2023年 |
| Amazon | 40億ドル(追加) | 2024年11月 |
| 20億ドル以上 | 2023-2025年 | |
| Nvidia・Microsoft | 150億ドル | 2025年11月 |
急成長する売上
Anthropicの成長は驚異的です。
- 2024年初頭:年間売上約8,700万ドル
- 2025年10月:年間売上約70億ドル(ランレート)
- わずか2年で80倍以上の成長を達成
AI安全性へのこだわり
Constitutional AI(憲法AI)
Anthropicの技術的な特徴は、「Constitutional AI」というアプローチです。
Constitutional AIって何ですか?
AIに「憲法」のようなルールを与えて、自分自身の出力を評価・修正させる技術です。人間のフィードバックだけでなく、AI自身が倫理的な判断をできるように訓練しています。
公益法人という選択
Anthropicは、通常の株式会社ではなく「公益法人(Public Benefit Corporation)」として設立されています。
株主の利益だけでなく、社会的な公益も考慮する義務がある企業形態です。Anthropicの場合、「人類の長期的な利益のための責任あるAI開発」が公益目的として定められています。
Long-Term Benefit Trust
さらに、「Long-Term Benefit Trust」という仕組みで、会社の重要な意思決定に安全性の観点が反映されるようになっています。
競合との比較
OpenAIとの違い
| 項目 | Anthropic | OpenAI |
|---|---|---|
| 設立 | 2021年 | 2015年 |
| 主力製品 | Claude | ChatGPT |
| 企業形態 | 公益法人 | 営利法人 |
| 強み | 安全性、コーディング | ブランド、シェア |
| 評価額(2025年) | 1,830億ドル | 1,570億ドル |
2025年、AnthropicはOpenAIを評価額で上回りました。AI安全性を重視する企業が、市場からも高く評価されています。
今後の展望
2026年以降の予測
- Claude 5シリーズの開発
- 企業向けサービスの拡大
- AI安全性研究のさらなる深化
- グローバル展開(日本語対応の強化など)
Anthropicは、「安全性と性能の両立」を証明しつつあります。AIの未来を考える上で、最も重要な企業の一つと言えるでしょう。
まとめ
Anthropicについて、重要なポイントをまとめます。
- 設立:2021年、OpenAI出身者が安全性を重視して設立
- 創業者:アモデイ兄妹(元OpenAI副社長)
- 主力製品:Claude(クロード・シャノンに由来)
- 特徴:公益法人、Constitutional AI、安全性重視
- 成長:2年で売上80倍以上、評価額27兆円
- 投資家:Amazon、Google、Nvidia、Microsoft
「AI安全性」と「高性能」は両立できる——Anthropicは、その証明に挑戦し続けています。