Gemini APIの使い方ガイド|初心者向けにAPIキー取得から実装まで解説
技術解説 2025.11.29

Gemini APIの使い方ガイド|初心者向けにAPIキー取得から実装まで解説

Kanzaki
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Gemini APIの基本から実装方法まで初心者向けに解説。APIキーの取得手順、Pythonでのサンプルコード、料金体系、よくあるエラーの対処法まで、GoogleのAIをシステムに組み込むための完全ガイドです。

「Gemini APIを使ってみたいけど、何から始めればいいの?」

「無料でAI開発を試してみたい」

このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

Gemini APIは、Googleが提供する生成AIをシステムに組み込むためのインターフェースです。本記事では、APIキーの取得から実装方法まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

Gemini APIとは?

Gemini APIの概要

Gemini APIは、Googleが開発した生成AI「Gemini」を、自分のアプリやサービスから利用するためのインターフェースです。

ChatGPTのように文章を生成したり、質問に回答したりするAI機能を、自社のシステムやWebサービスに組み込むことができます。

Gemini APIでできること

Gemini APIを使用すると、以下のようなことが可能です。

  • テキスト生成:質問への回答、文章の作成
  • 要約・翻訳:長文の要約、多言語への翻訳
  • チャットボット開発:会話形式のAIアシスタント構築
  • マルチモーダル処理:画像や動画の内容を理解して説明
読者
読者

ChatGPT APIと比べて、何が違うんですか?

AIアドバイザー
AIアドバイザー

Gemini APIの最大の特徴は、無料枠が充実していることです。個人開発やテスト段階であれば、ほぼ無料で利用できます。また、Googleアカウントさえあればすぐに始められる手軽さも魅力ですよ。

利用可能なモデル

Gemini APIでは、用途に応じて複数のモデルを選択できます。

モデル 特徴 用途
Gemini 1.5 Flash 高速・低コスト 簡単な質問応答、チャットボット
Gemini 1.5 Pro 高性能・長文対応 複雑な分析、長文処理
Gemini 2.0 Flash 次世代高速モデル マルチモーダル処理

Gemini APIの料金体系

料金体系

Gemini APIの料金は、トークン(テキストの単位)に基づいて計算されます。

無料枠(Free Tier)

Gemini APIには、開発者向けの無料枠が用意されています。

無料枠の主な制限:

  • 1分あたりのリクエスト数:15回
  • 1日あたりのリクエスト数:1,500回
  • 1分あたりのトークン数:100万トークン

個人開発やテスト用途であれば、この無料枠で十分に利用できます。

有料プラン(Pay-as-you-go)

無料枠を超える場合は、従量課金制となります。

Gemini 1.5 Flash(2024年12月時点):

項目 料金
入力(128Kトークンまで) $0.075 / 100万トークン
出力(128Kトークンまで) $0.30 / 100万トークン
入力(128K超) $0.15 / 100万トークン
出力(128K超) $0.60 / 100万トークン

Gemini 1.5 Pro:

項目 料金
入力(128Kトークンまで) $1.25 / 100万トークン
出力(128Kトークンまで) $5.00 / 100万トークン
入力(128K超) $2.50 / 100万トークン
出力(128K超) $10.00 / 100万トークン
AIアドバイザー
AIアドバイザー

ChatGPT APIと比較すると、Gemini APIは全体的に低価格です。特にGemini 1.5 Flashは非常にコストパフォーマンスが高く、多くのユースケースで最初の選択肢としておすすめです。

合同会社四次元 Gemini APIを活用したシステム開発を支援

APIキーの取得方法

APIキー取得

Gemini APIを使用するには、まずAPIキーを取得する必要があります。Googleアカウントがあれば、数分で取得できます。

手順1:Google AI Studioにアクセス

Google AI Studio(https://aistudio.google.com/)にアクセスし、Googleアカウントでログインします。

手順2:APIキーを作成

1. 左サイドバーの「Get API Key」をクリック

2. 「Create API Key」をクリック

3. 新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを選択

4. APIキーが生成されるのでコピーして保存

注意点:

  • APIキーは一度しか表示されません。必ず安全な場所に保存してください
  • APIキーは絶対に公開しないでください(GitHubなどにコミットしない)
  • 本番環境では環境変数として管理することを推奨します

手順3:APIキーの動作確認

取得したAPIキーが正しく動作するか確認します。Google AI Studio内で簡単なプロンプトを送信して、レスポンスが返ってくることを確認しましょう。

Pythonでの実装方法

Python実装

ここからは、実際にPythonでGemini APIを使用する方法を解説します。

環境準備

まず、Google Generative AIライブラリをインストールします。

“`bash

pip install google-generativeai

“`

基本的な使い方

最もシンプルな使用例です。

“`python

import google.generativeai as genai

APIキーを設定

genai.configure(api_key=”YOUR_API_KEY”)

モデルを選択

model = genai.GenerativeModel(“gemini-1.5-flash”)

プロンプトを送信して回答を取得

response = model.generate_content(“生成AIとは何ですか?100字以内で説明してください。”)

結果を表示

print(response.text)

“`

会話形式(チャット)の実装

複数のやり取りを記憶する会話形式の実装です。

“`python

import google.generativeai as genai

genai.configure(api_key=”YOUR_API_KEY”)

model = genai.GenerativeModel(“gemini-1.5-flash”)

チャットセッションを開始

chat = model.start_chat(history=[])

会話を続ける

response1 = chat.send_message(“こんにちは!自己紹介をお願いします。”)

print(“Gemini:”, response1.text)

response2 = chat.send_message(“AIの活用事例を3つ教えてください。”)

print(“Gemini:”, response2.text)

response3 = chat.send_message(“1つ目についてもっと詳しく教えてください。”)

print(“Gemini:”, response3.text)

“`

システムプロンプトの設定

AIの振る舞いを制御するシステムプロンプトを設定できます。

“`python

import google.generativeai as genai

genai.configure(api_key=”YOUR_API_KEY”)

システムプロンプトを設定してモデルを初期化

model = genai.GenerativeModel(

“gemini-1.5-flash”,

system_instruction=”あなたは親切なカスタマーサポート担当者です。丁寧な言葉遣いで、初心者にもわかりやすく説明してください。”

)

response = model.generate_content(“返品の方法を教えてください。”)

print(response.text)

“`

生成パラメータの調整

出力の特性を調整するパラメータを設定できます。

“`python

import google.generativeai as genai

genai.configure(api_key=”YOUR_API_KEY”)

model = genai.GenerativeModel(“gemini-1.5-flash”)

生成設定を指定

generation_config = genai.GenerationConfig(

temperature=0.7, # 創造性(0.0〜1.0)

max_output_tokens=500, # 最大出力トークン数

top_p=0.9, # 確率の累積しきい値

top_k=40 # 考慮する候補数

)

response = model.generate_content(

“新しいスマートフォンのキャッチコピーを考えてください。”,

generation_config=generation_config

)

print(response.text)

“`

REST APIでの利用方法

REST API

Pythonライブラリを使わず、REST APIで直接リクエストを送ることもできます。

エンドポイント

“`

POST https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/gemini-1.5-flash:generateContent?key=YOUR_API_KEY

“`

curlでのリクエスト例

“`bash

curl -X POST \

-H “Content-Type: application/json” \

-d ‘{

“contents”: [{

“parts”: [{

“text”: “こんにちは、自己紹介してください。”

}]

}]

}’ \

“https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/gemini-1.5-flash:generateContent?key=YOUR_API_KEY”

“`

Node.js(JavaScript)での実装

“`javascript

const API_KEY = “YOUR_API_KEY”;

const API_URL = `https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/gemini-1.5-flash:generateContent?key=${API_KEY}`;

async function callGemini(prompt) {

const response = await fetch(API_URL, {

method: “POST”,

headers: {

“Content-Type”: “application/json”,

},

body: JSON.stringify({

contents: [{

parts: [{ text: prompt }]

}]

})

});

const data = await response.json();

return data.candidates[0].content.parts[0].text;

}

// 使用例

callGemini(“生成AIとは何ですか?”)

.then(result => console.log(result))

.catch(error => console.error(error));

“`

よくあるエラーと対処法

エラー対処

Gemini APIを使用する際によく遭遇するエラーと、その対処法を紹介します。

403 Forbidden

原因:

  • APIキーが正しくない
  • APIキーの使用制限に引っかかっている
  • APIが有効化されていないプロジェクトを使用している

対処法:

  • APIキーに余分なスペースや改行が入っていないか確認
  • Google Cloud ConsoleでAPIが有効化されているか確認
  • APIキーの制限設定を一時的に解除して試す

404 Not Found

原因:

  • エンドポイントURLのスペルミス
  • モデル名の指定ミス

対処法:

  • URLが正しいか確認(特に`:generateContent`の部分)
  • モデル名が最新か確認(例:`gemini-1.5-flash`)

429 Too Many Requests

原因:

  • レート制限に達している

対処法:

  • 時間を置いて再実行(数秒〜数分)
  • リクエストの間隔を広げる
  • 有料プランへの移行を検討

空のレスポンスが返ってくる

原因:

  • リクエスト本文の構造が間違っている
  • 安全フィルターによってブロックされている

対処法:

  • JSONの構造が正しいか確認
  • プロンプトの内容を見直す
  • `response.prompt_feedback`を確認してブロック理由を調査
読者
読者

エラーが出たとき、どこを見れば原因がわかりますか?

AIアドバイザー
AIアドバイザー

レスポンスのステータスコードとエラーメッセージを確認することが大切です。また、Google AI Studioの管理画面で、APIの使用状況やエラーログを確認することもできますよ。

ビジネスでの活用例

ビジネス活用

Gemini APIは、様々なビジネスシーンで活用できます。

1. カスタマーサポートチャットボット

製品FAQやマニュアルを基に、顧客からの問い合わせに自動対応するチャットボットを構築できます。

2. コンテンツ生成

ブログ記事の下書き、SNS投稿の作成、メールテンプレートの生成など、コンテンツ制作を効率化できます。

3. データ分析・レポート生成

データを入力して、分析結果のサマリーやレポートを自動生成させることができます。

4. 翻訳・多言語対応

WebサイトやドキュメントのAI翻訳に活用できます。

5. 社内ナレッジ検索

社内文書をRAGと組み合わせて、自然言語で情報検索できるシステムを構築できます。

まとめ

Gemini APIの特徴をまとめると以下の通りです。

項目 内容
提供元 Google(Alphabet)
主な特徴 無料枠が充実、低コスト、マルチモーダル対応
料金体系 無料枠あり + 従量課金
主なモデル Gemini 1.5 Flash(高速)、Gemini 1.5 Pro(高性能)
実装方法 Python SDK、REST API
主な用途 チャットボット、コンテンツ生成、データ分析

Gemini APIは、無料枠の充実と低コストが特徴で、AI開発を始めるのに最適な選択肢です。本記事で紹介したコードをベースに、まずは小さなプロジェクトから始めてみてください。