AIチャットボットの作り方|初心者でもできる5つのステップを解説
AIチャットボット 2025.12.06

AIチャットボットの作り方|初心者でもできる5つのステップを解説

Kanzaki
Author

AIチャットボットの作り方を初心者向けに解説。ノーコードツール、API活用、プログラミングなど4つの作成方法から、導入手順、運用のポイントまで具体的にわかりやすく紹介します。

「チャットボットを自社で作りたいけど、何から始めればいいかわからない」

「プログラミング知識がなくても本当に作れるの?」

このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

実は、ノーコードツールを使えば、プログラミング知識がなくてもチャットボットを作成できます。本記事では、チャットボットの作り方を初心者向けに5つのステップで解説します。

チャットボットの種類を理解する

チャットボットの種類

チャットボットを作る前に、まずは種類と特徴を理解しましょう。目的に合った種類を選ぶことが成功の第一歩です。

AI型チャットボット

機械学習・自然言語処理を活用して、自由な対話ができるタイプです。

項目 内容
仕組み 機械学習・自然言語処理により自由な対話を実現
メリット 自由なテキスト入力に対応、学習により精度向上
デメリット 初期設定にコストがかかる、不適切回答のリスク
コスト目安 月額数万円〜数十万円
適した用途 カスタマーサポート、相談業務、複雑な質問対応

ChatGPT APIやClaude APIを活用すると、高度な自然言語処理を比較的低コストで実現できます。

ルールベース型チャットボット

事前に設定したシナリオ・ルールに従って回答するタイプです。

項目 内容
仕組み 事前設定したシナリオに従って回答
メリット 設定が簡単、一貫した品質の回答、低コスト
デメリット 設定外の質問に対応不可、自然な会話が困難
コスト目安 月額数千円〜数万円
適した用途 FAQ対応、予約受付、定型業務の自動化

シンプルなFAQ対応から始める場合は、このタイプが導入しやすいでしょう。

ハイブリッド型チャットボット

ルールベース型とAI型を組み合わせたタイプです。

定型的な質問はルールベースで対応し、複雑な質問はAIが処理するという使い分けが可能です。コストと性能のバランスを取りたい場合に適しています。

読者
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どのタイプを選べばいいですか?

AIアドバイザー
AIアドバイザー

最初はルールベース型から始めて、効果を確認しながらAI型に移行していく方法がおすすめです。いきなり高機能なものを作ろうとすると、コストも時間もかかってしまいますから。

チャットボットの4つの作成方法

4つの作成方法

チャットボットの作成方法は、大きく4つに分類されます。

1. ノーコードツールで作成

プログラミング不要で、画面操作だけでチャットボットを作成できます。

項目 内容
難易度 ★☆☆(初心者向け)
開発期間 1週間〜1ヶ月
初期費用 0円〜10万円
月額費用 3,000円〜50,000円
代表ツール Dialogflow、Chatfuel、ManyChat、Tidio

こんな場合におすすめ:

  • プログラミング経験がない
  • 短期間で導入したい
  • まずは小規模から始めたい

2. API連携で作成

ChatGPT APIやLINE Bot APIなどを活用して、自社システムと連携させる方法です。

項目 内容
難易度 ★★☆(中級者向け)
開発期間 2週間〜2ヶ月
初期費用 10万円〜100万円
月額費用 API利用料(数千円〜数万円)
主要API ChatGPT API、Claude API、LINE Messaging API

こんな場合におすすめ:

  • 自社システムと連携させたい
  • 高度なAI機能を実装したい
  • ある程度の技術リソースがある

3. プログラミングで開発

PythonやJavaScriptなどを使って、完全に自由な設計で開発する方法です。

項目 内容
難易度 ★★★(上級者向け)
開発期間 2ヶ月〜6ヶ月
初期費用 50万円〜500万円
月額費用 サーバー代のみ(数千円〜)
使用言語 Python、JavaScript、Java等

こんな場合におすすめ:

  • 完全なカスタマイズが必要
  • 大規模なシステムに組み込む
  • 独自の機能を実装したい

4. Excelで簡易作成

Excelの関数を使って、簡易的なルールベース型を作成する方法です。

VLOOKUP関数などを活用し、質問と回答のマッチングを行います。社内FAQなど、限定的な用途には十分対応できます。

比較項目 ノーコード API連携 プログラミング
難易度
費用 低〜中 中〜高
自由度 中〜高
開発期間
合同会社四次元 AIチャットボットの導入・開発を支援

チャットボット作成前の準備

準備のポイント

チャットボット作成で失敗しないために、事前準備をしっかり行いましょう。

1. 目的を明確にする

具体的な数値目標を設定することが重要です。

目的設定の例:

  • カスタマーサポート効率化:「問い合わせ対応時間を30%削減」
  • リード獲得:「月間リード獲得数を20%増加」
  • 社内業務効率化:「FAQ対応を80%自動化」

2. ターゲットユーザーを分析する

チャットボットを使うのは誰かを明確にします。

分析すべき項目:

  • 年齢・職業・ITリテラシー
  • どのような質問をするか
  • いつ、どのチャネルで利用するか
  • 過去の問い合わせデータの傾向

3. 想定質問を洗い出す

過去のFAQや問い合わせデータを分析し、頻出質問を把握します。

洗い出しのポイント:

  • 最低50パターン以上の想定質問を準備
  • 同じ意味でも異なる表現(言い回しの揺れ)を考慮
  • 優先度をつけて、重要な質問から対応

4. 運用体制を決める

チャットボットは導入して終わりではなく、継続的な改善が必要です。

決めておくべき項目:

  • 運用担当者(誰がメンテナンスするか)
  • 改善サイクル(月1回など定期的な見直し)
  • 有人対応への切り替えルール
AIアドバイザー
AIアドバイザー

準備段階で80%が決まると言っても過言ではありません。ここを丁寧にやることで、導入後の手戻りを大幅に減らせますよ。

チャットボットの作り方5ステップ

5つのステップ

具体的な作成手順を5つのステップで解説します。

Step 1:ツール・プラットフォームを選定する

目的・予算・技術レベルに応じて最適なツールを選びます。

ノーコードツールの例:

  • Dialogflow(Google):自然言語処理に対応、無料プランあり
  • Chatfuel:LINEやFacebook Messengerとの連携が容易
  • ManyChat:マーケティング機能が充実
  • Tidio:Webチャットに特化

選定のポイント:

  • 対応チャネル(Web、LINE、Slackなど)
  • 日本語対応の精度
  • 料金体系(無料枠、従量課金など)
  • セキュリティ・コンプライアンス要件

Step 2:会話シナリオを設計する

ユーザーの質問に対して、どのように回答するかのフローを設計します。

シナリオ設計のポイント:

1. メイン導線(よくある質問への回答フロー)を作成

2. エラーハンドリング(回答できない場合の対応)を設定

3. 有人エスカレーションルートを用意

4. 会話のトーンを企業イメージに合わせる

シナリオ例:

“`

ユーザー:「営業時間を教えて」

ボット:「営業時間は平日9:00〜18:00です。

土日祝日は休業となります。

他にご質問はありますか?」

選択肢:[他の質問をする] [オペレーターと話す]

“`

Step 3:データを準備・登録する

作成したシナリオをツールに登録し、学習データを準備します。

データ準備のポイント:

  • 過去の問い合わせデータを収集・整理
  • 個人情報は除去してクレンジング
  • 一つの質問に対して複数の表現パターンを用意
  • 業界特有の専門用語も登録

Step 4:テスト・検証する

本番公開前に、十分なテストを行います。

テストの観点:

  • 想定通りの回答が返ってくるか
  • 想定外の質問にどう反応するか
  • レスポンス速度は問題ないか
  • スマホ・PCなど各デバイスでの表示

テスト方法:

1. 社内メンバーによるテスト(想定質問)

2. 想定外の質問を意図的に投げてみる

3. 実際の顧客を一部招いたベータテスト

Step 5:公開・運用・改善する

テストを経て本番公開し、継続的に改善します。

公開後の運用ポイント:

  • 会話ログを定期的に分析
  • 回答できなかった質問をピックアップ
  • ユーザーフィードバックを収集
  • KPI(解決率、満足度など)をモニタリング

改善サイクルの例:

  • 毎週:会話ログのチェック
  • 月1回:シナリオの追加・修正
  • 四半期:全体的な効果検証

ノーコードツールでの作成例(Dialogflow)

Dialogflowでの作成

GoogleのDialogflowを使った具体的な作成手順を紹介します。

手順1:アカウント作成とプロジェクト設定

1. Google Cloud Consoleにアクセス

2. 新しいプロジェクトを作成

3. Dialogflow APIを有効化

4. Dialogflowコンソールを開く

手順2:Intentの作成

「Intent」とは、ユーザーの意図を表す単位です。

1. 「Create Intent」をクリック

2. Training Phrases(トレーニング用フレーズ)を入力

– 例:「営業時間は?」「何時から何時まで?」「開いてる時間」

3. Responses(回答)を設定

– 例:「営業時間は平日9:00〜18:00です」

手順3:Entityの設定

「Entity」とは、会話の中で認識したい特定の情報(商品名、日付など)です。

手順4:Webサイトやアプリへの統合

作成したチャットボットを実際のチャネルに連携します。

  • Webサイト:埋め込みコードを設置
  • LINE:LINE Messaging APIと連携
  • Slack:Slack Botとして連携

API連携での作成例(ChatGPT API)

API連携での作成

ChatGPT APIを使ったチャットボットの基本的な構成を紹介します。

基本的な構成

“`python

import openai

openai.api_key = “YOUR_API_KEY”

def chat_with_gpt(user_message):

response = openai.ChatCompletion.create(

model=”gpt-4″,

messages=[

{“role”: “system”, “content”: “あなたは親切なカスタマーサポートです。”},

{“role”: “user”, “content”: user_message}

]

)

return response.choices[0].message.content

使用例

answer = chat_with_gpt(“返品の方法を教えてください”)

print(answer)

“`

API連携のポイント

1. システムプロンプトでボットの性格・役割を設定

2. 会話履歴を保持して文脈を継続

3. トークン使用量を監視してコストを管理

4. エラーハンドリングを適切に実装

運用時の注意点

運用の注意点

チャットボットを効果的に運用するための注意点です。

1. 複雑な質問には対応できないことがある

チャットボットには限界があります。対応できない質問には、スムーズに有人対応に切り替える仕組みが必要です。

2. 継続的な改善が必要

導入直後から完璧に動くことは稀です。会話ログを分析し、継続的に改善していく姿勢が重要です。

3. セキュリティへの配慮

個人情報を扱う場合は、適切なセキュリティ対策が必須です。

  • 通信の暗号化(SSL/TLS)
  • アクセス権限の制御
  • ログの適切な管理
読者
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チャットボットの導入効果はどのくらいで出ますか?

AIアドバイザー
AIアドバイザー

シンプルなFAQ対応なら1〜2ヶ月で効果が見え始めます。ただし、最初の3ヶ月は改善期間と捉えて、データ収集と改善に注力することをおすすめします。

まとめ

チャットボットの作り方のポイントをまとめます。

ステップ 内容
種類の選択 AI型、ルールベース型、ハイブリッド型から目的に合わせて選択
作成方法 ノーコード、API連携、プログラミングから技術レベルに応じて選択
事前準備 目的設定、ターゲット分析、想定質問の洗い出し
作成手順 ツール選定→シナリオ設計→データ準備→テスト→公開
運用 継続的な改善、有人対応との連携、セキュリティ対策

チャットボットは、適切な準備と段階的な実装により確実に成果を出せるツールです。まずは小規模なFAQ対応から始めて、効果を確認しながら機能を拡張していくことをおすすめします。